「残業ゼロ」の仕事力・「残業ゼロ」の人生力 By吉越浩一郎

日本トリンプの社長を長年やられてた吉越浩一郎氏の著書「『残業ゼロ』の仕事力」「『残業ゼロ』の人生力」を続けて読んだ。
深夜・土日のサービス残業が常態化している日本の労働市場の中で、「完全残業ゼロ&有給休暇100%消化」を達成し、かつ、在籍19年間増収増益、総人員を減らしながらも売り上げ5倍増という好業績に導いた秘訣が丁寧に述べられており、同様に残業によって家族に負担をかけた身にとって、もっと早くこの本に出会っておれば、多少はライフワークバランスの改善が出来たかも?と、思わせる良書であった。


この本の中で気になったのが下記2点!

【1】ILO132号をヨーロッパはじめ多くの国が批准しているが、日本は未批准!
この132号では、病気による欠勤・公休を有給休暇に含めることを認めていない(別に定める疾病休暇でまかなう)一方、日本の労基法第39条によると、疾病にかかり療養のために休業した期間は年次有給休暇の取得が認められる・・・と、全く逆の方向に向かっている

【2】日本では、未消化の有給休暇が2年を越えると消滅する労基法第115条)一方、多くの国では、使われなかった有給休暇は会社が買い取る、また、権利は2年たっても消滅はしない!これらは、実質国際標準となっている「国際財務報告基準」(EUはじめ100ヶ国以上の国が採用済み)むしろ、有給休暇には引当金を計上するよう定められているのだ(IAS第19号)

これらの結果、日本はドイツと比べ、年間で400時間も余分に働き、これは、ドイツ人の3.1ヶ月分の労働に相当するという・・・

ついでに言うと、日本では通勤時間1〜2時間が普通だが、ドイツでは平均30分以内とか!
残業の無い世界に入っている身ではあるが、何かと考えさせられた著書であった