お気に入りの作家・葉室麟の第二作「いのちなりけり」はオススメ
「銀漢の賦」でデビューした時代劇作家・葉室麟の第二作「いのりなりけり」 (文芸春秋)が発行され、早速読む。
前作は男の友情がテーマだったが、今回は「夫婦の愛」・・・と、書いてしまうと余りにも陳腐だが、一気に読ませる迫力のある時代小説に仕上がっている!
この本の冒頭に紹介される下記の和歌が、全編を貫くテーマとなっている。
「春ごとに 花のさかりはありなめど あひ見むことは いのちなりけり」
古今和歌集 詠み人知らず
主人公は、佐賀鍋島藩35万石の支藩小城家に使える筆頭家老天源寺刑部の娘咲弥。
もう一人は、同じく小城藩の下級武士雨宮蔵人。
他に、水戸光圀・介さん・格さん・天草四郎・吉良上野介・柳沢吉保etc・・・と書くと、俗っぽく読む気を失わせるが、これらはあくまで時代背景。
久しぶりに、詠み応えのある娯楽小説だった!!